氷温熟成IceAging
氷温熟成について
冷蔵でもない、冷凍でもない第三の温度域が氷温と呼ばれています。野菜や果物、魚や肉などの食品は0°C以下でも凍りません。
食品はそれぞれ凍り始める温度(氷結点)が違い、0°C以下から凍り始める温度までを氷温域と呼びます。
この氷温域を利用して食品の貯蔵や加工を行うことが氷温技術であり、氷温域で貯蔵や加工された食品が氷温食品と呼ばれます。
氷温技術は、鮮度良く、美味で、衛生面に優れた食品を提供することが可能となり、一定期間保存された食品は、氷温下では食品中の水分がすみずみまで行きわたり、
食品のみずみずしさやしっとり感、食べたときのなめらかさやまろやかさが向上する「氷温うるおい効果」がみられるようになります。
「氷温うるおい効果」により、氷温技術の3大効果である「高鮮度保持化」、「高品質化」および「有害微生物の減少化」が可能となり食品素材の本来の美味しさを充分に生かすことが可能となります。
現在では世界からも注目される技術となっています。
◇高鮮度保持化
氷温下での食品管理では、酸化などの食品中の化学反応の低下により、食品の鮮度感をより長期間保つことが出来ます。◇高品質化
食品の細胞は氷温下、すなわち0°C以下のストレスにさらされると、食品が凍るまいとする自己防御機構がはたらき、不凍物質を蓄えます。この不凍物質に含まれる遊離アミノ酸類や糖類は食品中の旨味や甘味成分であり、これらが増えることで食品の味覚の向上に繋がります。◇ 有害微生物の減少化
氷温の世界では、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌、病原大腸菌などの有害微生物が減少するため、衛生面でも安心な食品となります。氷温域で30日~40日間、肉を保存することで氷温熟成効果により、グルタミン酸やアラニンなどの遊離アミノ酸群の増加で旨味や甘味が倍増し、健康機能成分であるタウリンも増加します。 脂がマイルドになるとともにコレステロール値の低下に効果的とされるリノール酸やオレイン酸の増加もみられます。 これらの食品中の成分が変化するとともに、肉を食べたときの食味が向上して、柔らかくとろけるような食感に近づき、熟成前と比較して、より高品質な肉へと変化を遂げます。 ドライエイジングと比較しても、安心で安全なコストパフォーマンスに優れた熟成肉と言えます。
牛肉氷温熟成分析表
牛肉(ランイチ)の遊離アミノ酸含量(mg/100g) 野村商店 | |||
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熟成前 | 氷温30日目 | 氷温40日目 | |
アスパラギン酸 | 1.1 | 5.5 | 5.0 |
トレオニン | 28.1 | 46.3 | 46.4 |
セリン | 6.4 | 18.1 | 18.8 |
グルタミン酸 | 11.8 | 32.5 | 32.2 |
プロリン | 2.2 | 6.0 | 6.3 |
グリシン | 7.1 | 14.4 | 14.3 |
アラニン | 21.6 | 36.8 | 36.1 |
システイン | 0.4 | 0.7 | 0.7 |
バリン | 6.9 | 18.6 | 18.7 |
メチオニン | 4.9 | 10.3 | 10.4 |
イソロイシン | 5.2 | 14.2 | 14.4 |
ロイシン | 10.5 | 27.0 | 27.5 |
チロシン | 6.8 | 11.4 | 16.1 |
フェニルアラニン | 6.3 | 17.3 | 17.3 |
リジン | 10.9 | 24.3 | 26.3 |
アルギニン | 7.3 | 9.0 | 16.6 |
総含量 | 137.5 | 292.4 | 307.1 |
牛肉(ランイチ)のカルノシン含量(mg/100g) | |||
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熟成前 | 氷温30日目 | 氷温40日目 | |
カルノシン | 315.2 | 279.4 | 246.6 |
牛肉(ランイチ)のタウリン含量(mg/100g) | |||
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熟成前 | 氷温30日目 | 氷温40日目 | |
タウリン | 29.1 | 29.7 | 29.0 |
牛肉(内モモ)の遊離アミノ酸含量(mg/100g) 野村商店 | |||
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熟成前 | 氷温30日目 | 氷温40日目 | |
アスパラギン酸 | 0.5 | 3.0 | 1.8 |
トレオニン | 43.0 | 27.0 | 25.7 |
セリン | 4.7 | 16.8 | 16.2 |
グルタミン酸 | 11.8 | 24.4 | 25.2 |
プロリン | 2.0 | 4.8 | 4.3 |
グリシン | 7.2 | 12.4 | 11.7 |
アラニン | 28.5 | 35.9 | 34.9 |
システイン | 3.6 | 4.5 | 4.1 |
バリン | 4.2 | 19.1 | 18.4 |
メチオニン | 3.0 | 10.7 | 11.0 |
イソロイシン | 3.0 | 13.9 | 14.1 |
ロイシン | 5.1 | 27.7 | 28.2 |
チロシン | 3.2 | 17.2 | 15.5 |
フェニルアラニン | 3.5 | 18.5 | 19.1 |
リジン | 6.3 | 23.0 | 22.2 |
アルギニン | 3.1 | 14.8 | 13.8 |
総含量 | 132.7 | 273.7 | 266.2 |
牛肉(内モモ)のカルノシン含量(mg/100g) | |||
---|---|---|---|
熟成前 | 氷温30日目 | 氷温40日目 | |
カルノシン | 221.4 | 301.3 | 307.7 |
牛肉(内モモ)のタウリン含量(mg/100g) | |||
---|---|---|---|
熟成前 | 氷温30日目 | 氷温40日目 | |
タウリン | 29.8 | 18.9 | 17.4 |
牛スジの遊離アミノ酸含量(mg/100g) 野村商店 | |
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氷温40日目 | |
アスパラギン酸 | 2.9 |
トレオニン | 29.8 |
セリン | 15.4 |
グルタミン酸 | 15.4 |
プロリン | 4.9 |
グリシン | 12.8 |
アラニン | 39.8 |
システイン | 1.1 |
バリン | 17.5 |
メチオニン | 10.6 |
イソロイシン | 13.0 |
ロイシン | 25.0 |
チロシン | 12.3 |
フェニルアラニン | 16.8 |
リジン | 21.4 |
アルギニン | 9.9 |
総含量 | 259.0 |
牛スジのカルノシン含量(mg/100g) | |
---|---|
氷温40日目 | |
カルノシン | 348.7 |
牛スジのタウリン含量(mg/100g) | |||
---|---|---|---|
氷温40日目 | |||
タウリン | 31.6 |
豚肉氷温熟成分析表
豚肉の遊離アミノ酸含量(mg/100g) 野村商店(7/16着分) | ||||
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氷温0日目 | 氷温15日目 | 氷温20日目 | 氷温30日目 | |
アスパラギン酸 | 1.9 | 2.8 | 3.3 | 5.9 |
トレオニン | 9.9 | 17.9 | 20.7 | 26.7 |
セリン | 4.4 | 9.1 | 11.9 | 16.8 |
グルタミン酸 | 7.6 | 16.3 | 19.6 | 29.8 |
プロリン | 3.2 | 5.4 | 4.7 | 6.9 |
グリシン | 7.7 | 11.5 | 12.4 | 15.7 |
アラニン | 13.3 | 19.6 | 20.5 | 28.0 |
システイン | 3.1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
バリン | 3.1 | 8.7 | 10.3 | 15.7 |
メチオニン | 2.7 | 9.1 | 8.7 | 12.2 |
イソロイシン | 2.0 | 6.5 | 7.9 | 11.9 |
ロイシン | 4.0 | 13.1 | 16.5 | 23.8 |
チロシン | 2.4 | 11.6 | 12.9 | 17.3 |
フェニルアラニン | 2.3 | 9.7 | 11.6 | 16.0 |
リジン | 3.8 | 9.6 | 13.1 | 20.0 |
アルギニン | 3.5 | 5.6 | 9.2 | 12.7 |
総含量 | 74.9 | 156.5 | 183.3 | 259.4 |
豚肉のカルノシン含量(mg/100g) | ||||
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氷温0日目 | 氷温15日目 | 氷温20日目 | 氷温30日目 | |
カルノシン | 643.5 | 551.1 | 551.6 | 588.6 |
豚肉のタウリン含量(mg/100g) | ||||
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氷温0日目 | 氷温15日目 | 氷温20日目 | 氷温30日目 | |
タウリン | 13.7 | 17.2 | 16.9 | 20.5 |